ブログ

小野正誉さんのはたブキ 「丁寧さ」4/4


小野正誉さんのはたブキ 「丁寧さ」

「丁寧さ」ストーリー
1 勤めながらビジネス書を出し講演するのは可能?
2 気がついたら我も忘れ時間を忘れ、だから毎日が楽しい
3 自分の宝を見つけると、時間の質が変わり、人生の質が変わる
4 自由な社会へ 自分らしく生きやすくなるのじゃないかな
5 ビジネス書の著書の先生方と一緒にアジアを回る講演活動をしたい
6 丁寧さ お客様の顔は見えなくても想像して心を込める
7 作業化しない、数をこなす仕事をしないが大事
8 リスペクトする方も伝える 「丁寧さ、きめ細やかさ」がほんとうに武器
(今回は7と8)

7 作業化しない、数をこなす仕事をしないが大事

小野さん:講演させていただくのであれば、参加者が何を求めて聴きにこられているのだろうかということを、しっかりと理解し、分からない部分は想像した上で、お伝えしないといけませんし、本の場合は、いい意味で独り歩きしていくので、どういう方がお手にとっていただくのかということは分からないのですけれども、できるだけ読者を想像して心を込めて・・・何ていうのでしょうね、作業にしないということですね。
人見:はい。
小野さん:本にも書かせていただきましたけれど、僕は飲食店でアルバイトしている時に、そこはすごく繁盛店だったので、付き出し(お通し)を何百個も用意しないといけないという仕事があったんですね。
人見:何百ですか?
小野さん:はい。それを僕は数をこなすように仕事をしていて、すごく怒られたことがあるんです。
人見:わかるのですか?
小野さん:やっぱりね、なんかこうちょっとした煮物とかでも見栄えがいいように盛り付けるとか、それをなんていうんでしょう機械的に数をこなすように僕はやってしまっていて、お客様は一人に対してその一つの小鉢がいくわけで・・・
人見:500個いくわけじゃないですものね。
小野さん:そうです。だから僕には500分の1、300分の1かもしれないですけど、お客様にとっては一人に対して一つの小鉢がいくわけで、その時になるほどなって思って、すごく反省したんですね。やっぱり丁寧さっていうか、お客様の世界っていうのはすごく狭いので、そこを作業化しないっていうのか、数をこなすような仕事をしないっていうのが大事なのかなって思っています。
人見:はい、今お聞きしながら、わたしもいろいろ改めようと思っています。そこに原点、叱られたところに原点があるのかもしれないですよね。
小野さん:そうですね。そういうことを学ばせていただきましたね。

8 リスペクトする方も伝える 「丁寧さ、きめ細やかさ」がほんとうに武器

人見:このインタビューをさせていただいて、みなさん近いところに着地されるのです。今日は「丁寧さ」、言葉は違えど「心配りとか」・・・
小野さん:僕が丁寧さっていうことを考えたときに、敬愛している松浦弥太郎さんがいつも文章の最後に「今日もていねいに」っていう言葉を書かれるんですね。
人見:松浦弥太郎さん。
小野さん:以前『暮らしの手帳」の編集長をされておられて、いまは『くらしのきほん』というサイトを運営していらっしゃいます。その松浦さんもご自身の信条として「今日もていねいに」という言葉をよくお使いになられますし、あと尊敬しているパティシエの小山進さん、コヤマロールで有名なエス コヤマ代表の小山進さん。小山さんの書籍に『丁寧を武器にする』という、まさに今日のテーマじゃないんですけど(笑)、ずばりのタイトルの書籍があって。
人見:そうですか。
小野さん:武器という言葉と丁寧という言葉は、いい意味でミスマッチなのですが、そのパティシエとしてのきめ細やかなお仕事や他にもパッケージデザインを手がけられたり、人の教育にも非常に熱心にしてらっしゃるので、そういう丁寧さというか、きめ細やかさがほんとうに武器になっているのが表現されているんですね。自分がリスペクトしている方々もそういうキーワードをお持ちなのかなというのを今回あらためて感じました。

<取材後記>
小野さんはお話の際に、「ビジネス書をお出しさせていただいた」、「どういう方がお手にとっていただくのか」といった表現を使われます。なんて実直な謙虚な方なのだろうという印象で、今回の「丁寧さ」というはたブキワードにもそのままの小野さんらしさを感じました。
しかし小野さんは、丁寧でありながら、静かながら非常に燃えておられる印象、まさにお話にあったエンジンが燃えているのでしょう。そのエンジンを手にすること、「自分を知ることは宝を手にすることだ」とおっしゃっておられました。また、「これからは社会の自由度が広がっているので、自分のモチベーションのエンジンを見つけたら、僕みたいにやりたいことで楽しめる」ともおっしゃいました。
自由はチャンスでもあり、一方自分で決めていかなければならないことも意味します。であるからこそ、これからは自分と対話し、モチベーションのエンジンを見つけることが大切である、それが小野さんのメッセージではないでしょうか。
弊社ビズラボが「はたブキ」で伝えたいことは、それぞれがキャリアデザインを意識し、自分の働くを豊かにする武器を持という。そのもう一つ深いところにあるであろう、自分を知ることで獲得できるエンジン、自分の軸を見つけることの大切さを、今回伝えてくださったのだと感じました。
(人見)

    関連記事